男性更年期障害の危害

男性ホルモン(テストステロン)は精巣が産生するホルモンで、さまざまな機能をもっており、心身状態に影響を及ぼしています。女性における更年期障害に対応する疾患として、男性更年期障害と呼ばれます。それでは、男性更年期障害の危害を説明します。

精神的な充足感との関係

男性更年期障害の1つの重要な症状は、うつ状態です。どん底の気分で、何もやる気が起きず、人間関係も煩わしく、新聞を読むのも面倒くさい。それはテストステロンが低下したために生じている症状なのですが、もともと40~50歳代の男性にはうつ病やうつ状態が発生しやすいのです。

若さが失われて老いに向かうことを意識し始める年代です。それまでの生き方を振り返り、心の中に迷いも生じます。経済的な不況でリストラの危機にさらされて、将来への不安を抱えることもあるかもしれません。テストステロンの減少でEDになると自信喪失につながりがちです。自殺者が多いのもこの年代の男性です。もともと悩みの多い年代に、更年期のテストステロンの減少が拍車をかけてしまうのです。

めまい、動悸、全身倦怠感、頭痛、頭重感、多汗、のぼせ、下痢、呼吸困難など、自律神経症状も多岐にわたり発生します。抑うつ状態や不安、緊張といった不安定な精神状態が誘発してしまう症状です。

男性更年期障害を悪化させる不眠

さらに男性更年期障害によく併発するのが不眠症です。不眠症の種類には、寝つきの悪い「入眠障害」、睡眠中にすぐ目覚めてしまう「中途覚醒」、まだ眠いのに朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」などがあります。十分な睡眠がとれないと疲労が蓄積し、気分が落ち込み、免疫機能が減少し、血圧が上昇したり、記憶や学習、意欲に悪影響が出たりします。

テストステロンは睡眠中に産生されるので、健常な睡眠がとれない状態ではテストステロンがますます減少し、男性更年期障害はさらに悪化してしまいます。

このように、テストステロンの減少した男性更年期障害の状態を放置しておくと、さまざまな病気が合併して重症化する危険性が高まります。